”The Man That Got Away”
映画「スター誕生」のため、ハロルド・アーレンが作曲しアイラ・ガーシュインが作詞した名曲。以後彼女の代表曲の一つになります。
本来なら映画で歌われるシーンを持ってくるところですが、これは1962年、シナトラ、ディーン・マーチンと共演したテレビのスペシャル番組でのワンシーン。写真では分かりませんが凝ったセットで熱唱しています。
映画のシーンを出さなかった理由は----こちらの方が良いから。
” The Man That Got Away”はさまざまなところで歌われ多くのヴァージョンがあるため、これが最高と言うつもりはありません。しかし、私が見聞きした範囲では最良の部類に入るのではないかと思います。
映画より抑えた導入部の歌い方は柔らかい中に深みを湛えています。50年代に比べのどが荒れ幾分弱々しい印象もありますが、それがかえって「荒涼感」といってもよい雰囲気を醸しだし、心のすさみや悔恨、哀しみが聞く者の胸に迫ります。
映画ではまだジュディに体力があるため、力強い声で歌い上げています。まるでよく切れる日本刀をブンブン振り回しているような印象で、その迫力に聞いている者はつい後ろへ下がってしまいたくなります。
「うまさ」については、また後で取り上げることになるでしょう。
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