実際のところ二人の関係を他の人々はどう考えていたのか、”Lion of Hollywood ; The Life and Legend of Louis B. Mayer “から抜粋してみました。
ベティ・コムデン
「彼女は彼が災いの原因だと思っていたのよ」
しかし、ジュディがワーナーブラザースかパラマウントで働いていれば、こんなひどいことは起きなかったろうと云う世間の考えを、アーサー・フリードは即座に否定します。
「こういった権力の迫害論はだな・・・・・・・・まず第一に、彼女が病気になったり入院したとき 治療費を払ったのはメトロだ。ルイ・メイヤーはすべての面倒を見てやったんだ。」
ジョージ・シドニーも同じ意見です。
「スタジオが何らかの形で彼女をズタズタにしたと多くの人が考えているが、そりゃあナンセ ンスだよ。彼女の私生活は問題が多すぎたんだ。」ガーランドはメイヤーが彼女を膝の上にのせようとしたり、感触を楽しむために尻を触ったと言っていました。
これに対してキャサリン・グレイスンは言います。
「気をつけた方がいいわ。ジュディは飲んでたのよ。彼女は酔っぱらうとよく突拍子もない ことを言ってたの。彼はそんなこととをする人じゃないわ。彼はいつでも父親のように振る 舞っていたの。私に対してと同じような気持ちでジュディに接していたのよ。彼は私にそん な風に触ったりしなかったし、そんな風に考えもしなかったわ。人はレディならレディとして 扱われるの。そしてもしふしだらな女なら、ふしだらな女として扱われるの。それに彼はふし だらな女が嫌いだったのよ。」アドルフ・グリーンの考えです。
「 L.Bはジュディのさまざまな問題の象徴のようになっていた。でもルイにその責任を押し つけることができるのかわからないよ。どれ一つとして悪魔のごとく計画されたわけじゃない んだ。 スタジオの首脳たちは悪魔のように冷酷な判断を下していたと誤解されている。でも 彼らは ただ単に映画を作ろうとしていただけだよ。
『これを試してごらん。 うまくいかない? じゃあこれは・・・・』
いたいけない子供を怪物に変えるように計画してたわけじゃない。たまたま結果としてまず い扱いになったんだ。
ジュディ・ガーランドは偉大な歌手であり役者だが、過酷な人生を背負った不幸な女の子 だった。」最後に娘のローナ・ラフトの著作の言葉を。
「振り返ってみると、母はL.B.メイヤーのことを人生の最後まで好きだった。MGMをやめ てからの十年間、母は自分自身に降りかかったことでL.Bを責めたことはなかった。母は 彼のことをいつも懐かしげに私たち子供や父に話していた。MGMに在籍していた間、母が病 気になると入院費を払ってくれたのはL.B.メイヤーだった。もう母が彼のためにこれ 以上映画を作ってあげられないとわかったときでさえも。」

契約解除後もこういうこともあったのかと思うと、なぜかほっとします