2021年2月11日木曜日

「踊る大ハリウッド」が本になりました

  長らく休止したままの当ブログですが、このたび「踊る大ハリウッド」を書籍として発売することになりました。

 内容は第一部と二部に分かれ、第一部ではジーン・ケリー の映画人生をたどりながら、彼が成し遂げたミュージカル映画の進歩について書いてみました。全編書き下ろしで、約240ページになります。 第二部は当ブログのフレッド・アステアの記事を基に、一部改訂,追補したもので、約40ページです。 

 目次を挙げておきます。

第一部 (ジーン・ケリー編)

第一章 ピッツバーグ... 6 

第二章 ブロードウェイ... 16

第三章 ハリウッド... 25

第四章 大変動... 46

第五章 助走... 50

第六章 踊る大紐育... 56

第七章 巴里のアメリカ人... 75

第八章 雨に唄えば... 92

第九章 失墜... 112

第十章 終了... 118

第十一章 長いエピローグ... 122

第二部 (フレッド・アステア編)... 129

ガール・ハント・バレ... 129

経歴... 131

身体... 134

「鍛えない」... 138

「ジンジャー問題」... 140

ビギン・ザ・ビギン... 143

上手いとは何か... 146

... 155

 

  第一部では、ケリーの映画界での活躍の基盤を作ったと思われる故郷ピッツバーグでの生活から始まり、ブロードウェイでの経験、映画界入りのいきさつ、ハリウッドで次第に実力を発揮していく過程を描きました。さらに1940年代末から50年代にかけての映画産業の激変期を解説した後、その時代背景のもとで作られた彼の代表作、三作の製作過程と作品について、ミュージカル映画の進歩の視点から詳細に書いてみました。 最後に変動する時代背景のもと、活躍の場を失っていく後半生についても記しました。

 第二部ではアステアの当ブログでの記事から、主な項目についてブログと書籍との違いを考慮し、一部書き換えながらまとめてみました。さらに「ビギン・ザ・ビギン」(エレノア・パウエルの項で記載)、「上手いとは何か」では元の記事を大幅に書き換え、アステアのダンスや身体について考察しています。

 相も変わらずケリー、アステアでは少しばかり芸がない気もしますが、中身は読者の期待を裏切らない、読んで楽しめるものになったと思います。ご興味がありましたら、お買い求めのほどをよろしくお願いいたします。                                                                               


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2 件のコメント:

Elena さんのコメント...

はじめまして、ご出版おめでとうございます!
MGMのミュージカルが大好きで、鑑賞する際はいつもブログを参考にさせていただいていました(実は今も"ヨランダと泥棒"を見ていてブログではどう言及なさっていたかな…と探しに来たところだったのです)。さっそく購入して大切に読ませていただきます。

OmuHayashi さんのコメント...

Elenaさん、コメントありがとうございます。

拙著「踊る大ハリウッド」・・・ご興味がありましたら、是非読んでみて下さい。決して「読んだのが時間の無駄だった」とは思わせない内容になっていると思います。

「ヨランダと泥棒」については、ブログできちんと書いた記憶もありません。今から考えても、ミュージカルとは言え話にリアリティが乏しく、映画自体あまりできが良いとは思えません。ただ、第二次大戦下の政治情勢を反映した南米ブームを背景に、ミネリ好みのシュールリアリズム的な映像を加え、さらにその基盤ともなる精神分析理論の流行とそれを受けてのドリームバレエ(夢の中のダンスで、アステアの願望や不安、葛藤が描かれる)の存在など、いかにも1940年代半ばらしいテーマや題材が詰まった映画でないかと思います。
とは言えそんなことより、この映画でなにより大切なのは、ダンスナンバー “コーヒー・タイム” の存在です。もっと言えば、このナンバーを見られるだけでこの映画に価値があると言っても過言ではないと思います。
 蠱惑的なリズムに乗って、アステアとルシル・ブレマーがただくるくる回っているだけのようなダンスですが、ブレマーは体の軸がしっかりしていて回転に無駄がなく、二人のダンスが小気味好く感じられます。中心軸のしっかりした回転はそれだけで観る者に快感を与える何かを持っているのです。 
 ブレマーという人は美人でスタイルも良くダンスも上手なのに、スター性だけは持ち合わせていなかったというのが残念ですね。

ではまた。