2010年8月13日金曜日

レスリー・キャロン 自伝 その20  「恋の手ほどき 1」

 フランスの作家コレット原作の”Gigi” (恋の手ほどき)は、1950年にフランスで映画化され、51年にはブロードウェイで劇化(主演はオードリー・ヘプバーン)されたコメディです。レスリーは「リリー」(1953)撮影時に自身がフリードに映画化を提案したと書いていますが、実際はMGM内部でも51年頃から企画が出ていたようです。しかし映画化権の獲得や検閲との調整、脚本の完成に時間がかかり、撮影は57年の夏からようやく始まることとなります。

 この間レスリーは565月にイギリスの舞台で主役のジジを務めますが、演出のピーター・ホールと恋仲になり二度目の結婚。翌年には初めての子供クリストファーを授かることになります。


 「恋の手ほどき」の映画化が報道されると、オードリーは夫のメル・ファーラーと共にアーサー・フリードを訪ね、映画でもジジを演じたいと申し入れます。フリードはレスリーのために書かれた脚本であることを伝え断りますが、オードリーにミュージカルをやりたい気持ちがあるのなら力になれると言い出します。彼はすぐに電話を取るとパラマウントにいるアステアを呼び出したのです。

 「やあ、フレッド。次の映画の相手役を探してるって聞いてるけど、ここにぴったりの人がいるんだ---オードリー・ヘプバーンさ!」


『パリの恋人』が作られることになります。


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