2010年6月14日月曜日

レスリー・キャロン 自伝 その5 「電話」

 数週間後、スクリーン・テストのことさえすっかり忘れていた彼女のもとへ電話がかかります。

  「MGMの採用が決まった。三日の内にハリウッドへ向け立つように」。


 彼女が映画界入りを決断した理由は、母親の希望以外にもまだありました。舞台でコンビを組むJean Babilee(フランス語の読み方がわからない)の存在でした。 レスリーは彼に激しい恋心を抱いていたのです。

 しかし彼は二年前に結婚したばかり。しかも彼女は敬虔なカトリック。このどうにもならない状況から逃れるため、レスリーはハリウッドに目を向けるようになります。

 「三日の内にハリウッドへ向け立つように」という言葉が、頭の中で何度もこだまするのです。


 この頃母親が彼女に言っていた「今後のキャリアへの忠告」がおもしろいので、ついでに書いておきます。

 「あなたはちょっとジーン・ティアニーに似てるわ。どこかエキゾチックなところがあるの。だから撮影所でサロン(東南アジアの腰布)なんか着せられないようにするのよ。ドロシー・ラムーアの情けない姿をよく考えるの。それから、何をしても良いけど、ミッキー・ルーニーとだけは結婚しないように」(?!!!)


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